「朝、スッキリと目覚められない…」「通勤や通学の足取りが重くなる…」「集中力が続かずミスが多い」...このような不調はありませんか?
こうした不調があると、肉体的な疲労がたまっていると考えがちですが、実はそうではない可能性があります。
もしかしたら、脳の疲れが溜まっていて、身体がサインを出している可能性が高いです。
脳疲労が限界に達してしまうと、うつ病などの病気にかかってしまいます。
そこで今回は、「脳の休息法」と脳疲労と密接に関係しているストレス対策を7選を紹介していきたいと思います。
ストレスを感じないマインドに変わる!
冒頭でも少し話しましたが、ストレスと脳疲労は非常に密接な関係があります。
ストレスとはもともと、「物体がゆがんだ状態」を意味する機械工学の用語です。
手でボールに力を加えると、ボールが押しつぶされて歪みます。
この場合、ボールをゆがませる手がストレッサー、ボールがゆがんだ状態がストレス状態になります。
身の回りにある様々なストレッサーに、私たちの体は反応します。これをストレス反応と呼びます。
ストレッサーには「外的ストレッサー」「内的ストレッサー」の2つが存在しています。
ストレス反応が起こるたびに、脳は大量のエネルギーを消費して疲弊するので、ストレスマネージメントが大事なのは言うまでもありません。
しかし、「脳や心身に悪いので、ストレッサーは全て無くすべき!」と考えるのは間違いです。
脳のために改善しなくてはいけないのは、ストレスあふれる環境ではありません。
あなた自身のマインド(考え方)になります。
実際、肉体的にも精神的にも程よい負荷というものが必要です。脳も適度なストレスなしに成長できません。
脳疲労を軽減するためにも自分が成長するためにも、マインドをどう変えるかはとても重要です。
それは結局、「自分はどういう人生を歩みたいか」を考えることにつながるかもしれません。
「リフレーミング」で視点を変える!
心理学用語の「リフレーミング」とは、見えているものや置かれている状況の枠組みを外して、別の枠組みにすることです。
どんな物事にもコインのように表と裏があります。
要するに、視点を変えれば、マイナスと考えていたことがプラスに変わり、その結果、問題が解決できるという手法になります。
皆さんも耳にしたことがあると思いますが、「水が半分入っているコップをどう捉えるか」という考え方があります。
コップに半分の水が入っているのは客観的な事実ですが、「もう半分しかない」と捉えるか、「まだ半分残っている」と捉えるかで、心の状態は全く変わってきます。
このようにリフレーミングをうまく使えば、リフレーミングによって発見した「短所の陰に潜んでいた長所」を見つけることができ、今まで苦手だったことも克服できる可能性が高くなります。
悩みを抱えている時はどうしても視野が狭くなりがちです。心の捉え方を変えて、いかに視野を広げるかがリフレーミングのポイントになります。
「忘れる力」を手に入れ嫌な記憶を断捨離!
年齢を重ねると、「人の名前が思い出せない…」と言った物忘れが増えてきます。
認知症という場合もありますが、実は意外にもストレスにさらされて脳疲労がたまっている可能性があります。
そもそも、忘れっぽいことを悲観する必要はありません。
人間の脳には忘れる機能が備わっており、新しいことを覚えるのと同じくらい忘れることは大事です。
むしろ忘れる力があるのは喜ぶべきことだと考え方を変えてみましょう。
過去の嫌な記憶をいつまでも忘れられないと、最悪の場合「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」になりかねません。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態です。
厚生労働省HP より引用
日本でも自然災害などによる PTSD が度々報道されますし、失恋による PTSD も存在します。そのため、誰もが予期せぬことで、PTSD になる可能性があります。
記憶というものは、感情と深く関わりがあります。感情が揺さぶられた記憶ほど忘れられない記憶になります。
そのため、嫌な記憶を忘れたい時は、まず記憶と感情を切り離すことが重要になります。
それが難しいのなら、趣味に没頭したり、感動的な映画を見るなどして、それぞれのやり方で「感情の上書き」を試みてみましょう。
現在進行形で嫌なことを経験している場合、今いるステージから文字通り離れるのもひとつの手です。
「ぼっち」は心身へのダメージが大きい…
皆さんの中にも「誰かといるよりは、どちらかといえば一人の方が好き」と考える方も多いと思います。
しかし、いつも「ぼっち」でいると、知らぬ間に健康を害しているかもしれません…
人間は社会的な生き物なので、他者とのつながりを欲しています。
実際に、人とのつながりが強ければ強いほど生存率が上昇し、「社会的つながりがもつ力は禁煙に匹敵する効果がある」という研究もあります。
他者とのつながりは脳にとっても大切なのは言うまでもありません。
「ぼっち」派が一人を好むのは「人付き合いが面倒だから…」というのが主な理由だと思います。実際私もそうです…
脳は変化を嫌う性質があるため、言ってしまえば当たり前のことになります。要するに脳が人付き合いに負担を感じているのです。
視点を変えれば、人付き合いが脳を鍛えてくれるとも言えます。
筋トレが適度な負荷をかけて筋肉を鍛えるように、人付き合いによる負荷は脳にとって最高の脳トレです。
ですので、可能な限り人付き合いはするべきだと私は考えます。
「メタ認知」を習慣化する!
メタ認知はアメリカの心理学者、ジョン・H・フラベルが1970年代に提唱した概念になります。
近年はビジネスや教育などの分野で、重要な能力の一つとして注目されるようになってきました。
メタとは「高次の」や「超越した」という意味の接頭語になります。
つまりメタ認知とは、自分の行動や認知活動(記憶・思考・情動など)をさらに高い水準で認知してコントロールする能力であり、「自分の認知を越えた認知」です。
メタ認知力が低いと、自分を客観視できず、それゆえに状況に合わせた行動ができません。
反対に、メタ認知力が高い人は、大きな失敗が少なく、自分のネガティブな感情のコントロール法も知っています。
メタ認知力を習慣化することが重要になります。最初は難しいと思いますが、上の図のメタ認知力を高める方法を実践してみて、少しずつ慣らしていきましょう!
思考はネガティブに、行動はアグレッシブに!
一般的にネガティブシンキング(心配性)は否定的に受け止められています。
しかし、ネガティブな人は、心配のあまり事前にあらゆる失敗の可能性を考えて準備や努力を怠りません。
こう考えると、非常に素晴らしい長所ではないでしょうか!
慎重に行動してもミスは起こるものです。
その時に必要なのは、臭いものに蓋をして無理やり気持ちをポジティブにすることではなく、正面からミスに向き合うことです。
そこで意識するのは、「思考はネガティブ」に「行動はアグレッシブ」にという考えになります。
失敗の可能性に考えを巡らせつつも、いざ何かに挑む時は攻めの姿勢で対処する積極性。
この相反する思考と行動が備われば、怖いものはありません。この考えを意識する癖をつけましょう。
その場から逃げるのもひとつの選択肢
今まで紹介してきた様々なストレスの対策法を実践しても、どうしても嫌なことや苦手意識を克服できないことがあると思います。
その場合はどうするか、「迷わずその場から逃げましょう!」
真面目で完璧主義の人ほど、途中で投げ出したり、楽な道を選ぶことに罪悪感を感じるかもしれませんが、心身の健康を損ねるくらいなら逃げる以外に選択肢の余地はありません。
世の中には、自分の努力ではどうしようもないことがあります。時にはそういう割り切りも必要です。
まとめ
ストレスは脳疲労の最大の要因でもあるので、ストレスと正しく向き合い、少しずつで構いません、適切な対処法を身につけていきましょう。
ストレスの原因そのものを取り除くことはできなくても、自分の受け止め方や視点を変えてストレスを軽減することは可能です。
皆さんも、仕事もプライベートも充実した、「疲れ知らずに見える人」に生まれ変わりましょう!