日常生活で、ポストに不動産のチラシが入ってることがあると思います。家の購入を考えている方は、多少なりとチラシを見ると思います。
しかし正直に話しますが、チラシや広告などをチェックする時は正しい見方というものが存在します。
この見方を理解してると理解してないのでは、チラシの情報の読み取り方が全く違います。
多くの人は、その見方を理解せずチラシの豪華なイラストや間取りや価格、駅からの距離などに目がいってしまい、本当に重要な事項を見落としてしまっているのです。
そこで今回は、チラシや広告などの甘い言葉に騙されないためのチラシの読み取り方を紹介してきたいと思います。
目に心地よい売り文句は裏がある可能性もある
まず最初に、不動産のチラシや広告で一番目に引くのはキャッチコピーや完成予想図になると思います。
しかし、キャッチコピーに「駅から近い!」「閑静な住宅街」という言葉が使われていても、実際は駅まで舗装がされていない道だったり、周囲が開発中で工事の真っ只中であったり、また寂れてしまった街という場合もあります。
また、完成予想図はCG なので豪華なイメージを感じさせるつくりになっていますが、これはあくまでも予想図になります。
実は近隣が寂れたビルばかりで景観が悪かったり、花壇が想像よりも貧相であるなどの誤差が生じる場合ももちろん考えられます。
これらを全面的に信用するのは危険なので、あくまでも参考程度と考え、実際に現場を見に行くなどして、現実とすり合わせを行いましょう。
物件と駅の距離を示すときの「徒歩〇分」は1分で歩く距離を80mと想定していることが多い。また、複数の物件が同時に分譲されるときによく見られる「最多価格帯」は、販売価格を100万円きざみで数えたとき、最も数の多い価格帯を指します。「最多価格帯」は「あくまで平均値のようなもの」ということを押さえておきましょう。
チラシで確認したいポイント
広告表現
誤解を招く広告表現を使っている業者は絶対 NG
不動産の広告では宅地建物取引業法や業界の定めた規制で問題のある表現を禁止しています。
例えば、「掘り出し物件」「完全」「完璧」など、誇大と解釈される売り文句を使うことはできません。
これらの言葉を使用している業者の広告やチラシは決して信用してはいけません。
完成予想イラスト
チラシの物件イラストはあくまでもイメージと考える
販売物件の外観にイラストが使われている時は注意が必要です。
これはあくまでもイメージであり、完成した物件を見たときに違和感を覚えることをしばしばあります。
そのため、チラシの物件イラストで購入の判断材料とするのは控えるべきです。
間取り図
忘れているスペースがないか必ずチェックすること
基本ですが、「3 LDK」の表示は、数字が居室数、英語が「L =リビング・D =ダイニング・K =キッチン」を表します。
このように大雑把なスペースは見落としなく確認できると思いますが、それ以外の細かなスペースも必ず確認しましょう。
その中でも見落としが多いのがカースペースになります。保有している車の駐車スペースが十分か、車庫入れがスムーズにできるか必ず確認しましょう。
設備カット
無料か有料オプションかを確認する
チラシに掲載された物件の機能や設備は有料のオプションという場合もあります。
チラシに載っていても必ず付属しているわけではないことを覚えておきましょう。
宅地建物取引業者の免許
免許の更新回数を示す数字は信頼度のバロメーター
会社名の近くにある免許番号や加盟団体は信頼度の目安になるので必ず確認しましょう。
特に「国土交通大臣」や「〇〇県知事」の後ろについている数字は免許の更新回数を示していて、これが多いほど長く営業していることになります。
長く営業しているということは、それだけ経験値があるので相談やトラブルの対応などもスムーズに事が運ぶかもしれません。
確認するべきは「物件概要」
先ほども説明しましたが、戸建ての不動産広告をチェックするときにまず注意したいのは、目立つキャッチコピーやイラストに惑わされない事です。
チラシに掲載された完成予定の豪華なイラスト、間取りや価格、駅からの距離などに目がいってしまいがちです。
ですが、小さな文字で記載された物件の概要部分こそが本当の重要な情報であり、まずそこを確認することが重要になってきます。
特に、地目や区域区分が住宅に適しているかは必ず確認しておきましょう。
また、道路の幅や土地の広さなど、住宅の基本的な情報をここに記載されていることが多いです。
一軒家の場合は将来的に増改築する可能性もあるため、購入段階で建ぺい率や容積率をチェックしておかないと、いざという時に増改築できないということになりかねません。
上の例のように物件概要や地図などを丁寧に書いているチラシは非常に信用できる業者だと考えて良いと思います。
まずチラシを手にしたら、キャッチコピーなどの目につくものに惑わされず、まずは隅っこにある小さな物件概要をチェックしましょう。
街頭の電柱に物件情報の看板や貼り紙を目にすることがあると思います。これらの多くは、相場よりも安い価格が多いですが、客引きのおとり物件の場合が高いです。そもそも電柱にチラシを貼るのは法律違反であり、このような方法で物件情報を出す業者はまともではないので注意しましょう。
詳細な物件概要はここをチェック!
物件概要が重要なことは理解できたと思いますが、「どこを見ればいいかわからない…」という方も多いと思います。
そこで簡単ではありますが、物件概要ここだけは見てほしいポイントを紹介していきます。
市街化調整区域に所在する土地では、原則として開発行為や建物の建築が禁止されているので注意。宅地購入の際は、特に気をつけなければなりません。
住居、商業、工業など、建築基準法で定められた12種類の用途地域のことになります。それぞれの目的に応じて建ぺい率、容積率、高さなのに規制があります。
土地の主な用途を示す項目になります。不動産登記法では宅地のほかに田、畑、山林など23種類の区分が定められています。基本的に宅地ですが山林や畑の場合もあるので注意。
防火や環境配慮のため、土地面積に対する建築面積の割合を制限する数値になります。100坪の土地で建ぺい率が60%の時は60坪の建築面積の建物を建てられます。
土地面積に対する建物の延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合を制限する数値になります。この割合は用途地域の違いによって数値が変わってきます。
原則として敷地の間口は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。道路幅や接道間口、公道・私道という条件で建築制限があります。
基本的には物件を販売している会社になります。複数の社名がある場合は、販売代理会社に委託していることが多いです。
売主から代理権を取得した会社になります。基本的に仲介手数料はかかりませんが、例外もあるので確認が必要です。
複代理は代理会社がその代理権限の範囲内で、さらに自らの代理として選任した会社になります。
実際に建物を建築、施工した業者になります。ネットでの評判や口コミなどを確認してみるのが一般的です。
建売住宅のほか、新築マンションには必ず建築番号があり、この番号がないと広告には出せません。
物件周辺の生活のしやすさも要確認
物件概要を確認したら、次は周辺地域のマップにも注目しましょう。
どんなに家が素晴らしくても、周辺地域が充実していないと快適な生活を送る事は難しいです。
例えば、商店街、病院、学校など、自宅を購入した後に生活することを想定して、しっかりと周辺環境を確認しましょう。
このようにチラシに地図が載っているなら周辺地域をすぐ確認できますが、ない場合は必ず所在地を検索してどのような立地か必ず確認しましょう。
また、生活しやすさに直結する間取り図にも気をつけましょう。
「家事がスムーズにできる」や「家族が集まりやすい」など、自分が求める家のコンセプトを実現できる動線なのかをチェックしましょう。
動線に加えて、採光に関係してくる窓の位置、駐車場のサイズなども合わせて確認しておきましょう。
まとめ
不動産の広告やチラシは、読み方を理解しているだけで非常に様々な情報を取り入れることができます。
確かに、チラシの中には甘い言葉で購入者を惑わすこともあると思いますが、言ってしまえばそんなうまい話はないと思うことが重要です。
物件の事をチラシだけで全て判断するのは難しいですが、チラシを見るだけでもどんな会社かだけはおおよそ理解することが出来ます。
物件購入で騙されないためにも、最低限のチラシの読み取りは覚えておく事をオススメします。