部屋の印象を左右する内装材。色や素材感などインテリア性だけでなく、耐久性や吸湿性など機能によっても暮らしやすさはぐんと変わります。
そこで重要になるのが、冷暖房設備になると思います。今や冷暖房設備は家になくてはならない機能になります。
そこで今回は、冷暖房設備の設置のポイントや得する制度などを紹介していきたいと思います。
今回は簡単に大きく6つのルールに分けて紹介していきます。簡単ではありますが、設備選びや設置の判断材料として見ていただけると良いのではないかと考えます。
省エネ性能「APF6.0」以上のエアコンを選ぶ
温度や風量、稼働エリアを自動で調整するなど、エアコンの省エネ性能は年々充実しています。
その判断基準のひとつとなるのが「APF(通年エネルギー消費効率)」になります。
APFの数値が高い程、省エネ性能が高い機種で、商品に表示されている統一省エネルギーラベルを見ると確認することができます。
基本的には、APF6.0以上(★★以上)であれば、十分に効率が良いと言っても良いと思います!
https://shouene-kaden2.net/ より
室外機は直射日光が当たらない場所へ
室外機の設置場所も冷暖房の効率に大きく影響を与えます。
その中でも一番避けたいのは、直射日光が当たる場所になります。
理由としては、暑い夏など室外機本体が熱くなると、冷機を作るための消費電力を大幅にアップするためです。
また、室内機との距離をできるだけ短く(近く)することもポイントになります。
せっかく冷やしたり温めたりした空気が、配管を通る間に戻ってしまうのを防ぐことができます。
室外機設置場所のポイント
- 必要周囲空間が十分ある
- 風通しが良く、直射日光が当たりにくい
- 積雪で埋もれない
- 運転の振動に耐える台や壁に取り付けている
- 室内機との高低差が10 m 以内
エアコンは外付けが、ローコストかつ効きがいい!
エアコンの室内機は上から空気を取り込み、下から出すため、それを遮らないように設置することが重要になります。部屋全体に冷気・暖気が行き渡るのを邪魔しないようにしましょう。
最も一般的なのは、壁などにそのままつける(外付け)方法になります。
見た目が気になる場合はルーバーや幕板で目隠ししますが、その際を風の通り道を遮らないように注意しましょう。
床暖房は温水式と電気式でコストが異なる
床暖房には、お湯を循環させる「温水式」と「電気式」があります。
温水式は設置費用が割高ですが、ランニングコストは安いのが特徴です。電気式はその逆というのが一般的になります。
ただ使用時間やオン・オフの回数などによっても異なり、いずれにせよエアコンより安価とは言えません。
床暖房の魅力は部屋をじんわり温めてくれる心地よさや空気の乾燥も少なく子供やお年寄りにも快適な空間をつくることは可能です。
太陽光を利用してエコで健康的な冷暖房
皆さんもご存知の通り、太陽光発電とは、屋根面などに設置したパネルなどで発電し、家庭の電力として利用する仕組みになります。
発電時の co2排出がゼロというエコな性質に加え、停電時にも電気が使える安心感も魅力になります。
このシステムを冷暖房に使用するのが「OMソーラー」になります。
冬は太陽熱で暖めた空気を床下に送って暖房に、夏は夜の放射冷却を利用して涼しい外気を取り込み冷やします。
どちらの機能もマイルドなので、住む人の体に優しく、床の無垢材を反らせたり結露を発生させたりする心配もありません。
太陽光発電設備の導入費用は、以前に比べだいぶ下がっています。中には「余剰電力を買い取ってもらえる!」と考えてる方もいると思いますが、買取価格はあまり高くないので期待はしない方が良いと思います…
環境に配慮した設備を導入して補助金を受けよう!
環境に配慮した住宅設備の中には、導入すると補助金や税控除を受けられるものがあります。
数十万~最大数百万円と額の大きな制度もあるので、資金計画の際に必ずチェックすることをオススメします。
最近制定され、注目度が高いのが「ZEH」(ゼッチ)になります。
・ ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
断熱や省エネ設備を整えることで、消費エネルギーを実質ゼロにできる住宅が対象になります。「ZEH」の対象になる住宅の条件は様々あるので必ず確認はしましょう。
また、建て替えやリフォーム済み物件の購入で補助金を受けられるのが「長期優良住宅」の制度になります。
1.バリアフリー性
将来のバリアフリーリフォームに対応できるようになっていること
2.可変性
ライフスタイルの変化に応じて間取り変更などが可能になっていること
3.耐震性
極めてまれに発生する地震に対し、継続して住むための改修の容易化を図るため、損傷レベルの低減を図ること(耐震等級2以上または免震建築物など)
4.省エネルギー性
次世代省エネルギー基準に適合するために必要な断熱性能などを確保していること(省エネルギー対策等級4以上)
5.居住環境
良好な景観の形成や、地域おける居住環境の維持・向上に配慮されていること
6.維持保全計画
定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること
7.維持管理・更新の容易性
構造躯体に比べて耐用年数が短い内装や設備について、維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること
8.劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること(床下空間330mm以上確保、劣化対策等級3相当)
9.住戸面積
一戸建ては75m2以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40m2以上あること
このように、「長期優良住宅」の認定を受けるには、細かな条件が設定されています。
もちろんこのような補助金制度は絶対手続きした方が良いとは言えないですが、確認して損はないと私は考えます。今回は簡単に説明してしまいましたが、気になった方がいれば、是非、国土交通省などのサイトで確認してみると良いと思います。
まとめ
非常に簡単ではありましたが、冷暖房設備のポイントを紹介していきました。四季が大きく変化する日本では、必ずといってもいいほど冷暖房設備は重要になります。
その重要な冷暖房設備を失敗で終わらせないためにも、慎重に選択することが大切になります。
他の記事でも少し話していますが、理想の家を建てるのは正直難しいです。もちろん無尽蔵にお金があれば可能だと思いますが、そうはいきません!
どの設備に賢くお金をかけられるかが、失敗しない家づくりに最も重要なことだと思います。その線引きをしっかり見極め家づくりを行うことを意識しましょう!