住まいの建築に使われる外壁や床材、壁紙などの材料や、キッチン、浴室など、素材やデザイン、機能などによって多くの選択肢があります。
家づくりの楽しさは、これらの選択肢を積み重ねて自分の好みのイメージを形にしていくことだと思います。
このとき、頭を悩ませるのが何を選ぶかによってコストが違ってくることになります。
今回は、住宅の外装部位別に、どんな選択をすればコストが上がるのか、また抑えられるかの目安を簡単に紹介していきたいと思います。
予算をかける場所、節約する場所を考える参考にしていただければ幸いです。
外構
敷地条件によってコストは大幅増!
外構工事は本体工事と分けて見積もりされます。どんな狭い敷地でも、外構工事費がゼロになることはありません。
アプローチや駐車場の仕上げも砂利敷き、コンクリート、インターロッキングなど様々あります。
シンボルツリーや目隠し用の植栽も、高さによって値段も変わります。お隣との境界に設置するフェンスも同様です。
道路に対して高低差がある敷地なら、擁壁や階段、スロープが必要なので、大きなコストアップになってしまいます。

砂利敷き 3000円/㎡~
コンクリート仕上げ 1万2000円/㎡~
インターロッキング仕上げ 1万円/㎡~
ブロック積み+フェンス 2万5000円/㎡~
屋根付きカーポート 35万円/台~
屋根
仕上げと形状によってコストが変わる!
屋根はどんな屋根材のか、どんな形の屋根のかによってコストが違ってきます。
最近は軽量で安価なコロニアル葺きが一般的になります。屋根の形は、寄せ棟や切妻といった勾配のある屋根か、陸屋根かになりますが、複雑な形状の場合、役物と呼ばれる部材が増えるためコストアップにつながってしまいます。
屋根の葺き方で雨樋の長さが、仕上げ材料でメンテナンスサイクルが変わってくるので、慎重に設定しましょう。
ガルバリウム鋼板

立ハゼ葺き8500円/㎡~、横葺き7500円/㎡~
従来のトタン屋根(亜鉛メッキ)にアルミを混ぜ、防錆性・耐久性を大幅に向上させた屋根材になります。屋根材の中でも板厚が非常に薄く軽いのが特徴です。
スレート(コロニアル葺き)

6000円/㎡~
セメントと無機質繊維を混ぜて成形したものになります。表面に塗装を施して防水性や耐久性を持たせているため、定期的なメンテナンスが必要になります。
日本瓦(本陶器瓦)

1万5000円/㎡~
瓦の表面に釉薬(ゆうやく)を塗って焼き上げた陶器瓦が一般的になります。色が多彩で耐久性に優れ、瓦のなかでは比較的安価になります。
アスファルトシングル

5500円/㎡~
無機質繊維の基材をアスファルトで塗覆し、表面に細かい砂利をつけて着色したものになります。曲面や複雑な屋根にも施工しやすいのが特徴です。
洋風瓦(F 型瓦)

1万円/㎡~
粘土をベースとした粘土瓦一般的なります。フラットな形状の「F 型瓦」と凹凸が明瞭で立体感のある「S 形瓦」の二つに区別されます。
外壁
材料の耐蝕性・耐候性をよく理解して選ぼう
外壁は建物の印象づける大事な要素になります。
タイル、モルタル塗り壁、サイディング、ガルバリウム鋼板、木板などのバリエーションも様々です。
防火地域や準防火地域など、立てる地域によっては外壁に燃えにくい素材を使用しなければなりません。また、材料によってメンテナンスサイクルが大きく変動することも理解しましょう。
壁材のみならず、隙間を埋めるコーキングは壁材よりも耐久性が短くなることが多いため、特に注意が必要になります。
サイディング

5500円/㎡~
セメントと繊維質が主な原料とした板状の外装材になります。火に強く、軽量で施工性が良く安価なのが特徴になります。防水・気密性を確保するために施すシーリングの劣化が目立ちやすいので注意が必要です。
ガルバリウム鋼板

1万円/㎡~
薄くて軽く、耐久性・耐蝕性に優れていますが、海岸部など塩害のある立地の場合は要注意!
木板

1万円/㎡~
あたたかな風合いをもっています。天然素材のため虫害などにも注意が必要になります。防火・準防火地域などでは使用に際して一定の制限を受けることもあります。
モルタル塗り

https://www.homepro.jp/gaiheki/gaiheki-basic/2228caより
9000円/㎡~
セメントと砂と水を混合したものを塗った後に塗装を施します。味わい深い質感が特徴で、ひび割れると防水性能が劣るのでこまめに補修が必要になります。
タイル張り(乾式工法)

https://tilebin.jp/products/list-21/より
1万5000円/㎡
下地板の上に接着剤などで張ったり、引っ掛けたりして施工します。シーリングの打ち替えなどのメンテナンスはなくなりますが、コストは割高になる傾向があります。
外部外構
開口部選びは室内環境や光熱費も考慮に入れて
サッシの種類は、アルミ、アルミ樹脂複合、樹脂、木製に大きく区別されます。
ガラスもペアガラスや、断熱防音性の高いもの、三重になったトリプルガラスなどが選べます。
単価は高くても、室内環境や日々の光熱費を考えると、断熱性能の良いものどうしの組み合わせとするのが良いと思います。
玄関扉もアルミを木製などがありますが、断熱性と機能性を考慮して選定しましょう。準防火地域に建てる場合は形状や窓の種類に制限があるので必ず確認しましょう。
窓
アルミサッシ 2万円/箇所~
アルミ樹脂複合サッシ 3万円/箇所~
樹脂サッシ 3万5000円/箇所~
木製サッシ 10万円/箇所~
玄関ドア
30~60万円/箇所~
装飾性の高いドアや、2枚で1組の親子ドアなどデザインによって価格の高いものが様々あります。
また、最近はセキュリティを強化したものも多くなっています。カードキーやスマートキー、指紋認証タイプなど、導入しているセキュリティのレベルによってもコストがアップするので注意が必要です。
太陽光発電
将来的には蓄電池を併用しての自家消費が主流となる

FIT「固定価格買取制度」により普及した太陽光発電ですが、近年勢いが落ちてきています。理由としては、2020年頃の買取期間終了後の売電価格が不明瞭となるためです。
太陽光発電は、光熱費を削減できる、停電時に電気が使えるなどのデメリットも多いのですが、設置費用やメンテナンス費用がかかりる、台風で壊れるなどのデメリットがあることも理解しておきましょう。
将来的には、蓄電池を併用した自家消費が主流となっていくと考えられます。
30万円/KW~
パワーコンディショナーの寿命は10~15年程度
まとめ
住宅に「定価」はありません。限りなくお金をかけることができれば、プランや材料の工夫でコストを抑えることもできます。
予算内で満足できる家づくりをするためには、コストをかけるところと、抑えるところのバランスが重要になります。
家を建てる際は、前もってコストを考え無理のないプランで「家を建てるならこうしたい!」と思い描いていた部分にお金をかけるとよいと思います。