身体にはたくさんのツボがあると言われています。中でも足の裏は「第二の心臓」と呼ばれるほど、全身のツボが集中している箇所になります。
ということは、足の裏が常に触れている床は、私たちの健康を左右する重要な場所だと考えられます。
木の家の床といえば、フローリングが一般的だと考えられます。ですがフローリングと一概に言っても、「椅子に座る生活が主か」「床に座る生活が主か」などで、様々な選択肢が挙げられます。
そこで今回は、簡単ではありますが、生活様式に合ったフローリングのオススメの材種と張り方について紹介していきたいと思います。
フローリングの材種
冒頭でも少し説明しましたが、「椅子に座る生活が主か」「床に座る生活が主か」だけでも選択肢の幅が非常に多くあります。
フローリングの材種も多くの種類があり、生活様式に合った特徴が材種にもあります。今回は簡単に、8種類の材種を紹介して行きたいと思います。
椅子に座る生活におすすめのフローリング材種
【ナラ】【オーク】
濃くもなく薄くもなくちょうど良い色合いで、万人受けする材種になります。安価で入手も容易なので、多くのの木の家で使用されています。
【メープル】
床を白色系でまとめたい時に重宝します。あらゆるインテリアのパターンに馴染みやすいのが特徴です。比較的安価なものもあり、入手も容易にな材種になります。
【カバ】【バーチ】
赤身と白太の色合いが大きいですが、白太だけの板を揃えれば大人しい柔らかな雰囲気になります。赤身の混ざり具合で印象が随分変わる材種になります。
【チーク】
床材の王様と言われています。耐摩耗耐性に優れているため土足での使用も可能で、ヨットの甲板などにも使われています。日本では取れないので輸入に頼ることになりますが、過去の伐採で品薄になっており、入手が難しいのが弱点になります。
床に座る生活におすすめのフローリング材種
【スギ】
節(ふし)の多いスギは価格の安さと入手のしやすさで人気です。針葉樹で一番ともいえる柔らかさは触れた瞬間、ぬくもりをもたらしますが、その代わり傷がつきやすいという弱点もあります。「床なんて傷がついて当たり前」と思える人にはオススメの材種になります。
【マツ(アカマツ)】
日本では古くからおなじみの床材で、強度が高く、樹脂部分も多いので耐摩耗性に優れています。節があるものなら、比較的安価で入手も容易です。経年変化で現れる飴色は、他の材種にはない魅力になります。
【カラマツ】
節の多い材種ですが、他の針葉樹に比べると節の色が薄いので、木目とうまく調和してあまり目立ちません。比較的安価ですが、ヤニが出やすいので、あらかじめヤニ抜きをした「乾燥材」を使うと良いでしょう。経年変化によりかなり濃い色に変化するので、注意が必要です。
【ヒノキ】
日本を代表する材種になります。最初の白っぽさが、経年変化で飴色に変化します。節のない、木目の美しいものは大変高価ですが、節があるものは比較的安価で、入手も容易です。
フローリングの張り方
フローリングの張り方にはいくつかの種類があります。もちろん、張り方次第で部屋の印象は大きく変わります。
手間がかかるフローリングの張り方は当然コストに跳ね返りますが、一部屋くらいこだわりの張り方をしても面白いかもしれません。
今回は5種類のフローリングの張り方を紹介していきたいと思います。
【乱尺張り】
長さの短い板を有効に使う張り方になります。板の継ぎ目が揃うと板どうしの押さえが効かず木が反りやすくなるので、なるべく継ぎ目が揃わないように張ります。
長い板の取れない広葉樹で、木目のきれいなものを使うのが一般的です。ただ、短い板を数多く張るのは手間がかかりますから、最近はあらかじめ工場で板を継いでいる「ユニ」と呼ばれる加工品も売られています。
【ヘリンボーン張り】
最近流行りの「ヘリンボーン」は、ちょっとおしゃれな張り方になります。短めの板材をうまく模様にしているのが特徴です。
ヘリンボーンでもいくつか種類があり、平行四辺形の材を山形に並べる「フレンチヘリンボーン」は手間がかかるので、希望する場合はあらかじめ大工さんに相談することをオススメします。
【定尺張り】
同じ長さのフローリング材を決まった長さ、または長さの一定分をずらして繰り返し張るのが特徴。決まった尺の分ずらして張るので「尺ずらし張り」と呼ばれたり、階段上にフローリングのつなぎ目が並ぶので「階段張り」と呼ばれています。
【斜め張り】
部屋の壁に対して斜めに張る「模様張り」の一種になります。板が斜めに張ってあるだけでインテリアの雰囲気は大きく変わります。長尺の板を張るときれいですが、短い板でも雰囲気は出ます。
基本的には、洋館など、どちらかと言うと外国の建物に多く見られるのが特徴です。
【寄木張り】
小さくブロック状にした木片で模様をつくりながら張るのが特徴になります。通常、接着剤を使用して張るのでコンクリートの上などにも直接貼ることが可能です。
そのため、土足であがる土間などにも使われ、その場合には、広葉樹でもかなり固めの樹種が適しています。
斜め張り同様、日本にはあまりない張り方で、どちらかと言うと木製タイルの床に近いイメージです。
フローリング厚い方が良いのか?
同じランニングシューズでも靴底の厚いものを履くと地面に着地したときの衝撃はソフトになります。
無垢板のフローリングも、厚い板を使えばなんとなく足の感触が良くなるような気がしますが、コストなども気になるところです。
フローリングの板厚には9㎜、12㎜、15㎜、18㎜と様々ありますが、一般的に流通が多いのは15㎜になります。幅も75㎜、90㎜、100㎜、120㎜、150㎜と様々ですが、100㎜前後のものであれば品数が豊富です。
さて、問題の足触りですが、これは厚さ15㎜以上と12㎜以下が分岐点で、わずか数ミリの差ですが随分と違ってきます。
ただし、足触りにはフローリングの板を張る前の「下地のつくり方」も大きく影響しますので一概に、「板は何㎜以上が良い」とは言い切れません。
ですので、樹種による違いはあるものの、足触り・コスト・入手のしやすさなどから総合的に考えるとフローリングのサイズは厚さ15㎜・幅90㎜~120㎜のものであれば、選択肢が豊富でオススメになります。
少々足触りとは話がずれますが、無垢板のフローリングは表面が汚れたり、傷ついたりしても表面だけを削れば綺麗になりますので、あらかじめ削り代を考えて厚めの板を使っておくという考え方もあります。
まとめ
家にとって床は非常に大事な役割を持っています。ですので、フローリングの選択は慎重に考えることをオススメします。家族の生活様式は、家が新しくなったからといってそう易々と変わるものではありません。
あらかじめ、自分や家族の生活様式にあった材種・張り方を考えて、家づくりを行うと良いでしょう。床材や張り方の流通量や価格は地方によって大きく変わってきますので、実際の価格などは家づくりの依頼先に確認すると良いと思います。