住宅ローンは定期的にメンテナンスとして見直していけば、総返済額を減らすことができます。繰り上げ返済や返済額の増額、借り換えなどの返済額を減らして早く返済を終えたりすることができます。
この返済方法を事前にどうすればどれくらい得できるのかを知っておけば、安全・安心の返済計画を立てることができると思います。
そこで今回は、「繰り上げ返済」にスポットを当てて、そのメリットと必ず知っておきたい知識を紹介していきたいと思います。
繰り上げ返済とは？
住宅ローンは、月々の返済とは別に「繰り上げ返済」をすることができます。毎月の返済は利息と元金に当てられるのですが、繰り上げ返済をするとそのお金はすべて元金に充当される仕組みになります。
つまり、繰り上げ返済でローン残高が減った分は利息をまるまる払わなくてよくなるということです。言ってしまえば「繰り上げ返済」の大きなメリットはここにあります。これをうまく使いこなせば、非常におトクになるので、必ずポイントを押さえておきましょう。
繰り上げ返済には2タイプある
繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済軽減型」の二つのタイプがあります。
期間短縮型は、毎回の返済額を変えずに、残りの返済期間を短縮する方法で、返済軽減型は残りの返済期間を変えずに、毎回の返済額を少なくする方法になります。
①期間短縮型
「期間短縮型」は繰り上げ返済後の毎回の返済額は変わりませんが、同じ金額を繰り上げた場合の返済額軽減型よりも、利息をたくさん減らすことができます。そのため、毎回の返済額に余裕がある場合は期間短縮型がオススメになります。
② 返済軽減型
「返済額軽減型」は毎回の返済額を減らすことが出来ますから、繰り上げ返済後の家計の負担が軽くなります。「完済する時期は問題ないけれども毎月のローン返済が多い…」と感じてる人にオススメになります。
なお、繰り上げ返済を知って減らせる利息の金額は、実行時期が早ければ早いほど多くなります。1万円から受け入れる銀行も多いので、まとまった金額ができたら繰上げようと考えずに、こまめに繰り上げ返済をしていくといいと思います。
ただし、住宅ローン減税の期間中に行うと控除額も減ってしまうため、金融機関に相談してよりお得な方法を選択しましょう。
繰り上げ返済のしすぎは NG！
前述で、繰り上げ返済は早い時期にした方が利息軽減効果が高くなると話しました。ただし、「たくさん繰り上げ返済をした方がいい」とは絶対には言い切れません。
住宅ローン減税を受けるには、「返済期間10年以上」という用件がありますし、何より、いざという時にすぐに使える余裕資金を手元に残しておくことは必須になります。
子供がいる場合は教育費を貯めていかなくてはなりません。老後資金も時間をかけて準備していく必要があります。
このように考えると、繰り上げ返済は「余裕資金を確保し、教育費を積み立て、老後に向けた貯蓄を増やしていく」というハードルをクリアした上で初めて実行しようということになります。
繰り上げ返済をしすぎて、いざという時のキャッシュがなかったという事態は避けなくてはなりません。「人生いつ何があるかわかりません！」ですので、ただ返済すればよいというわけではなく、未来を見据えた返済計画をしましょう。
繰り上げ返済は手数料がかかる場合がある
繰り上げ返済の手数料がかかる場合があります。いくらかかるか、どんなケースにかかるかは金融機関やローン商品によって様々になります。
一部例をあげましたが、手数料無料のところもあれば、数千円から数万円必要な場合もあります。たとえば、「10万円貯まったから繰り上げ返済したい」と思っても、手数料が3万円もかかるとなると「もう少しまとまった額にならないともったいない」と感じてしまうと思います。
また、繰り上げ返済の金額によって手数料の有無や金額が違うこともあります。固定金利の期間中なのか変動金利なのか、手続きが店頭かインターネットかなどでも違ってきます。
頻繁に繰り上げ返済をするつもりなら手数料無料かどうかはとても重要なので最初に必ず確認しておくことをオススメします。
繰り上げ返済ができる金額に下限がある場合も、1万円以上からの金融機関が多いですが、フラット35は窓口では100万円以上、インターネットで10万円以上からの受付になります。
繰り上げ返済は住宅ローンを借りた後のことですが、総返済額に大きく関わってくることになります。安心な資金計画のためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済軽減型」の二つのタイプがあります。 その二つを照らし合わせて、自分に合った返済方法を見つけるといいと思います。
住宅ローンを繰り上げ返済する最大のメリットは、将来支払うはずだった金利分の節約になります。繰り上げ返済をする場合は、必ず将来を見据えて無理のない返済計画を立てることを意識しましょう。