リフォームする場合、工事をしたいかがおおよそ固まったら、次は「誰に工事してもらうか?」を考えなければなりません。これは皆さん本当に悩ましいところだと思います。
依頼先を選ぶという初期選択を間違えると、結果として「失敗リフォーム」につながる可能性が高まってしまいます。このような失敗を起こさないために、今回はリフォーム業者の種類と選び方の基準紹介していきたいと思います。
以前、「リフォームを依頼する際に必ず伝えるべき6つのこと!失敗のないリフォームを目指して!」を書きましたが、それと合わせて読むとさらに失敗の確率が低くなると思います。
第一候補は「建てた会社」
正直な話、あなたの家を一番よく知るオールマイティなスペシャリストがいます。それは、あなたの家を建てた会社になります。建てた会社とは、建築の請負契約を交わした相手のことになります。
誰が建設したのかわからない場合は、新築時の「建築確認申請書」を見れば、工事施工書調べることができます。

建てた会社がわかったら、まずそこに問い合わせてみましょう。年代によって工法や仕様が決まっている場合が多いため、新築年月を言えば「その年代の方からこういうご要望は多いですね」など話が通じることもあります。
新築時の設計資料は法律で15年間の義務が定められていますが、その期間を過ぎていても資料が残っている場合も多いです。また、建てた時の現場監督がまだ在籍している場合もあります。
あなたの家について0から完成まで関わり、最も知り尽くしている相手になります。何かあった場合に、最も正解に近い答えを導き出してくれるパートナーといってもいいいいと思います。
リフォーム業者の種類
そうは言っても、建てた会社がもう存在しない、人手不足などの理由でリフォームの対応してくれない、どうにもその会社に対して不信感が拭えない、などという場合は他を探すしかありません。
リフォーム業者は世の中に数多く存在しますので、その中から選ぶ方法を考えていきましょう。今回は、3種類に分けて特徴を話していきたいと思います。
ハウスメーカー系
ハウスメーカー系とは、新築を行っているハウスメーカーに属する、リフォームを行う部門や子会社のことを言います。

自社で施工したオーナー専門の場合もありますが、一般建物のリフォームを主力としている場合も多くあります。基本的に工事は下請けの工務店などに任せることが多いため、中間管理費がかかり、費用相場は高めになってしまいます。
しかし、高付加価値のサービスに力を入れていることが多く、設計提案力・保証・品質・ブランドの信用力などを考えると、出来上がりの満足度や長い目で見た費用対効果も期待できると言えます。
デメリットとしては、見積もりの算出やアフターサービスなど、何かと対応に時間がかかることが多いという点が挙げられます。これはハウスメーカー系の窓口となる担当者から、実際に現場で働く施工業者までの間に関わる人が多いためです。
ハウスメーカー系とリフォームを勧める場合は、打ち合わせなので準備期間を長めに考えておくといいと思います。
地元工務店
地元工務店とは、地域の専門業者を取りまとめ、新築やリフォームの現場を一括で管理・監督する業者のことになります。
ハウスメーカー系やリフォーム専業者などの下請けとなる場合が多いですが、自社で独自に営業活動を行っている場合もあります。地域密着で活動していることが多く、何かあった時は素早い対応が期待できる安心感もあります。
ハウスメーカー系に比べれば費用は抑えめとなる場合もありますが、そのぶん提案力が十分でないなどの弱点もあります。もちろん設計や提案に力を入れている地元工務もありますが、その場合はその設計料が計上されるため、それなりの費用相場になります。
地元工務店に依頼するなら、ちょっとした不具合でもすぐに対応してもらえるフットワークの良さや、かかりつけのお医者さんのように末永いお付き合いができそうなところを選ぶと良いと思います。
リフォーム専業者
リフォーム専業者とは、ハウスメーカー系や地元工務店が新築から派生してリフォームを行うようになったのに対し、最初からリフォームを専門として出来た会社になります。

リフォーム業は500万円未満の工事代金であれば建設業の許可も不要なため、新規参入のハードルが低く、多種多様・大小様々な業者が存在します。
中でも皆さんにご注意頂きたいのは、特定の工事に特化したリフォーム業者に依頼する場合です。
リフォームは部分的な工事の需要も多いため、専門業者がリフォーム業を始めるケースが多くあります。
例えばキッチンやユニットバスの交換などを行う設備の専門業者が、内装や木工事などのサービスを始めて、設備機器類の交換がメインのリフォーム専業者になったり、塗装の専門業者が足場や防水などのサービスを始めて、外装がメインのリフォーム専業者になったりという形です。
この形態では中間管理費などが抑えられるため低価格が狙いますが、建築士などの資格を持った現場監督がいなかったり、現場管理者の知識に大きな偏りがあったりする場合には、知識不足による不良工事を起こる可能性もあります。
低価格というのは魅力的ですか、省かれたコストが重要なものであったら、それは安かろう悪かろうとなってしまいます。

一戸建てのリフォームはマンションと違い、構造体の修繕も同時に考えなければなりません。そのためには、構造体の修繕についての知識を持った監督者が必要になります。
省かれたコストは監督や設計の経費ですから、そこに費用をかけないことは皆さんにとって大きなリスクとなる可能性があります。工事の発注は自己責任ですから、慎重にご検討いただけたらと思います。
リフォーム業者の選び方の基準
依頼先の候補がいくつか挙がったら、次は選ぶ基準を考えます。今はホームページなどである程度の情報収集ができますから、事前に調べられる情報はできるだけ集めておきましょう。
一言で表すと、信頼関係が築ける相手かどうかということです。結婚相手を探すのと同じようなものですね…。品質に間違いがなく、自分の事を一生懸命になって考えてくれる 相手であれば、末永くお付き合いできるということです。
ただ、こんなふわっとした表現では選びようがありませんから、判断材料いくつか簡単に説明していきたいと思います。

工事の品質は信頼できるか
- 自社の工事監理(管理)者に、建築士又は建築施工管理技士などの有資格者がいるか
- 経営者の挨拶や経営理念が確認できる場合、施工品質の向上が謳われているか
- 工事現場を確認できる場合、整理整頓されているか
- リフォーム瑕疵保険に加入しているか
- 断熱工事を行う場合、断熱材の正しい施工時光の方法に詳しい技術者がいるか
- 耐震工事を行う場合、地方自治体の耐震化支援事業に対応できる事業者か
親身になって考えてくれるか
- 自分の知識から答えを出せない質問に、きちんと調べてから回答をくれるか
- やり取りを書面などに残してくれるか
- 要望と相反することでも、やった方がいいことを勧めてくれるか
末永くお付き合いできるか
- 図面や仕様書など、後から工事内容を確認できる資料を正確に残しているか
- 保証やアフターサービスなどの内容を明確に示した書面はあるか
親身になってくれるかどうかは、打ち合わせが始まらないとわからないかもしれませんが、それ以外はある程度なら会社情報自分で調べたり、最初に質問したりして聞き出すことが可能です。
簡単ではありますが、是非これらの項目を確認してリフォーム会社を決めてみると良いと思います。
まとめ
リフォームの打ち合わせというのは、双方にとって大変な労力がかかります。できるだけ早期に依頼先を決定し、信頼関係を築くことに注力できれば、きっとお互いの力を集結させた最高のリフォームを作り上げることができると思います。