税務署からの「お尋ね」記入方法を簡単に説明!マイホーム購入・増改築をした時の場合

マイホームを購入したり、増改築をした後、税務署からの封書が送られてくることがあります。封を開けてみると、「お尋ね」などと書いてある書類が入っています。

人によっては、ビックリ!してしまう方もいると思います。「お尋ね」と書いてあり、誰しも慌ててしまうと思いますが、今回は「お尋ね」とは何かを知り、どう答えるのかを紹介していきたいと思います。

「お尋ね」はある日、突然やってくる

念願のマイホームを手に入れてしばらく経った頃、自宅のポストに見慣れない郵便物が入っていることがあります。差出人が税務署だったら、おそらくマイホーム購入資金に関する「お尋ね」文章です。

「お尋ね」届く目安はマイホームを購入し、登記手続きを済ませてから半年から1年後くらいが目安になります。

正確に言うと、「お買いになった資産の買入価値などについてのお尋ね」になります。

税務署から手紙がくるなんてあまり気持ちの良い出来事でありませんし、中身を改めるまでは誰でもドキドキしてしまうと思います。ですが、そんなに驚くことはありません。

「お尋ね」は機械的に送られてくる

簡単に言ってしまえば、「お尋ね」はそれほど恐ろしいものではありません。土地を購入したり建物を新築したりした場合には、通常、所有権の移転又は所有権の保存登記行います。

自分の財産権を保全するために、あり世間に対して「この不動産は私のものだ!」ということを明らかにするために登記手続きをするわけですが、税務署はその登記情報に基づいて、新たな名義に対して機械的に紹介作業をしているに過ぎません。

すなわち郵便物を送る時点では、あなたに疑いを持って狙いを定めて送ったわけではないということです。

しかし気をつけなければならないのは、その文章をきっかけに、予想もしなかった税金を納める羽目に陥ることもある、ということです。その理由を一言で言えば、「不動産を買った人≠お金を出した人」の場合に、贈与税などが課税されることがあるからです。

「お尋ね」の書き方とチェックポイント!

いくら税務署でも、新たな土地や建物があなたのものになったことはわかっても、その購入金額までは分かりません。現状では民間の取引の一つ一つの明細がもれなく税務署に伝わるシステムにはなっていないからです。

お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね

 

買い入れ資産の情報

まずはじめに、その不動産をいくらで購入あるいは新築したのか、すなわち支払先の建築会社や不動産業者の名称、その住所、支払金額及び支払年月を回答するように求められます。またその取得に伴い仲介手数料は引っ越し費用などをいつ、誰に、いくら支払ったのかも回答書に記入します。

資産の支払い情報

次の赤枠は、「その支払代金の総額をどのようにして工面したか」ということになります。すなわち、預金を取り崩して支払ったのであれば「誰の名義の、どこの銀行の預金をいくら引き出したのか」、ローンを利用したのなら「誰が、どこから、いくら借りたのか」などを記入します。

こうして計算した結果、自分名義の不動産取得資金を自分の資金繰りでまかなえたのであれば、つまり自分名義の預金の取り崩し、あるいは自分が契約した住宅ローンによって全ての代金を支払ったのであれば、何も問題は生じません。

また、共稼ぎの夫婦がそれぞれ出資した金額比率と同じ割合で所有権登記をしたような場合も同様になります。そのような場合、「不動産を買った人=お金を出した人」どうなっているわけですから、ありのままに、正々堂々と税務署の回答書を送付すれば問題ありません。

「お尋ね」に関する贈与税を理解する

登記名義に自分の名前を入れるということは、すなわちその財産は自分のものであると主張することに他なりません。

例えば、夫婦で半分ずつの名義としたら、それは夫と妻のそれぞれが不動産を1/2ずつ取得したことを意味するわけです。それなのにその購入資金を全て夫が調達したとなるとどうなるでしょうか。 

 

妻は自分の不動産購入資金を、①夫からもらった(つまり贈与を受けた)、あるいは②夫から借りた、のいずれかという理屈になってしまいます。

この場合、妻が専業主婦であったとしたら、②の論理を認めてもらうことはかなり難しいと思います。理由としては、収入のない人が借りたお金を返せるはずがないからです。

贈与税というのは、このような場合に登場する税金になります。すなわち Aさんが B さんからお金や不動産をもらったら、そのもらった人にかかるのが贈与税ということになります。

 

贈与税には、年あたり110万円の基礎控除が認められています。つまり、1年間に贈与を受けた金額が110万円以下であれば、贈与税はかかりませんし、したがって、申告の必要もありません。

しかし、110万円を超える贈与を受けた場合にはその税率はかなり高めに設定されています。

 

一般贈与財産と特例贈与財産の税率一覧表
lhttps://www.tr.mufg.jp/dekirukoto/commentary/09.html より

参考程度に贈与税の負担額をを載せました。不動産の場合には、金額大きいだけに贈与の認定を受けるとかなり高額納税の負担を強いられる可能性があります。十分注意が必要になります。

「借りた」という言い訳は要注意!

「あなたは贈与を受けたのだから、贈与税納めてください」と税務署に言われると、「もらったのではなく借りたのです」と言い訳したくなるのが人情というものです。

実際、「これを使え」と渡されたお金が借りたのか、もらったのかが当事者でも判然とせず、税務署との間でトラブルになる事例も少なくないです。

しかし、少し話しましたが、収入のない人すなわち返済の目処が立たない人が、「借りた」と主張しても税務署はまず認めてくれないでしょう。

この他にも、金融機関との契約ではありえないような「ローン」、すなわち「返済期間が異常に長い」「返済計画が立てられていない」「返済額が可処分所得を超えている」などのケースも否認される危険性が高いので、無理な主張をして、問題を複雑にしないように意識した方が良いと思います。

何事も大切なのは事前の準備

「お尋ね」について、話していきましたが、正直言ってしまえば、回答書を書く時点で、その書き方にどのような工夫をしても「時すでに遅し」と言わざるを得ません。

不動産の登記手続きも購入資金の支払いも、全て終わってしまった過去の出来事であり、これをさかのぼって自分の都合のいいように訂正することはできないからです。

ですので、不動産の購入をする時は、事前に税理士などの専門家に相談し、資金繰りをどうするか、登記名義をどのようにするかをしっかり検討した上で手続きを進めることを強くオススメします。

まとめ

マイホーム購入は、一生に何度も経験することない、人生の一大イベントです。経験したことのない出来事が次々に起こり、日頃目にすることのない1000万単位のお金が動きます。

そのため、税務署も注目しています。厳しいと思いますが、自分一人の勘だけを頼りに当てずっぽうの決断をしたら、必ず痛い目にあうと思ってください。

「お尋ね」は、来た時は焦るかもしれませんが、ひとつひとつ丁寧に回答すれば、何も問題ありません。もし、「お尋ね」に関して分からないことがあれば、専門家や税務署に確認を取ると失敗はないと思います。

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