物件購入後に「失敗した!」と思う方は、非常に多いです。ですが、「失敗した!」と思うほとんどのことは、事前に手を打ったり確認したりすることで未然に防ぐことができます。
今回は、購入時の失敗経験を例に挙げ、同じ失敗を繰り返さないように、回避策を紹介していきたいと思います。今回の回避策は、絶対に回避できるという保証はないので注意してください。
多額の違約金問題
このような、失敗例は、結んでしまった契約を解約したというシンプルな構造だけに意外と多いです。不動産では自己都合による解約の場合、手付金は基本的に破棄するのがルールになります。
金額が安い商品ならまだしも、桁が違う不動産物件で安易な契約及び破棄は、大きな損害を生むという教訓を与えてくれる例になります。
希望するエリア内の売却物件の調査は、必ず売買契約前にきちんとしておくのが鉄則になります。中古住宅購入時の場合、物件をひとつだけに絞って契約に踏み切ると、後で後悔する可能性が高いです。
住みたいエリアが決まっている場合は、複数の物件を候補に挙げておき、家族や不動産会社と相談したうえで売買契約を結ぶことをオススメします。
中古物件の売れ残り
この例は、今現在住んでいるマンションを売却し、中古の戸建を購入する資金源にする予定でしたが、予定の売買代金を大きく下回る結果になってしまった。
また、売れなかった数ヶ月はマンションのローンも払わなければならない状態に陥ってしまって、金銭面から考えると非常に大きな損をしています。
買い替えの時は、「先買い後売り」をする人が多くいますが、この例のようの失敗を防ぐためなら「先売り後買い」が良いと思います。
なかには、物件購入の契約時に所有物件の下取り金額を表してくれる不動産会社もあるので、そういった点に注目して仲介会社を選ぶのも、一つの選択肢になります。
境界線の問題
不動産の知識が全くない人は、購入物件が隣家に越境しているとはなかなか考えが及ばないと思います。以前、「住宅・敷地の隣人トラブルを未然に防ぐ法律知識を紹介!」で少し話しましたが、境界線問題は、非常に多い問題なので注意が必要です。
購入前なら、隣接地との境界を確認した「筆界確認書」の提示を求めることで越境の有無ができますが、もしない場合は引き渡し日までに用意するするよう特約を付ければトラブルを回避できる可能性があります。
不動産Aは、本物件を買主Bに引き渡すまでの間に、土地の境界を明記した測量図や境界確定図を提示することとする。
指示を受けられなかった場合、買主Bは本契約を無条件で解除できるものとする。
上記のように、特約をつけることでトラブル発生時に契約を無条件で解除することができます。とはいえ、解約も手間がかかるので、実際は引渡しまでの間に境界を明記してもらうようにすることが良いと思います。
また今回の例の場合は、契約に関わった不動産会社に相談して、境界を再調査するのが解決の近道だと考えられます。
購入後の管理費の未払い
このような例は、正直な話買う側に問題があると考えられます。ここで一番の原因は、不動産会社が未払金に関して曖昧な言葉で濁したのが問題になります。
ですが、結果的には「言った、言わない」の話であるため、その言葉を鵜呑みにしてしまった買い手にも問題があります。
管理費や修繕費に未払がある中古マンションの売却が可能で、その内容は重要事項説明書に記載があります。もし、不動産会社に「何とかなる」と言われても鵜呑みにしてはいけません。
契約書は売主と相談して「未払金は売買代金から控除してほしい」という趣旨を伝え、必ず特約を明記しておきましょう。
売買代金から未払金を控除して支払う
未払金がある場合、通常は元の売買代金から前所有者の未払金を控除した額を払い、その額を買主が管理組合へ支払うケースが多いです。常識のある不動産会社であれば十中八九、この方法での支払いを提案してくれると思います。
建物の景観
「富士山を一望できます」と話していたのに「実は角度的に見えませんでした」となれば大きな問題になります。
ですが今回の場合、「入居時は見えたが、半年後見えなくなった」ということなので、上の例とは異なります。正直な話、景色は年々変わるため、眺めが売りのマンションは契約書に小さな文字で「将来の眺望は約束しない」と記載されるのがほとんどです。
建物は一朝一夕に建つものではありません。ましてや高層マンションとなれば、工期は半年~1年以上になる場合があります。物件購入時は周辺散策し、建設中の建物の有無を確認すると良いと思います。
仮契約の問題
営業から「仮契約だけしましょう」と言われて手付金を支払った。その後、契約解除を申し出ると高額な違約金を請求される事態になってしまった。
この例は、契約をしてしまった方に過失があると考えられます。契約書類にきちんと目を通さなかったことが一番の原因です。
不動産取引において「仮契約」というものは存在しません。つまり、「仮」データされた契約書は正式な契約書というわけです。
このような営業する不動産会社は稀ですが、もし仮契約を促す担当者がいるようなら、不動産会社を変えた方が無難だと思います。
また、契約書を見れば、仮か本物かは見分けられます。書類はしっかり確認する癖をつけるようにしましょう。
リノベーションの妥協問題
リノベーション前提で中古一戸建てを購入したのに、柱や水回りが動かせず、妥協だらけの間取りになってしまったという例になります。
リノベーションは、自由に作り変えできるわけではなく、既存の梁や柱、配管の影響を受けます。もし、リノベーション前提で家を購入するなら、専門家にどこまで変更できるかを相談するのが一般的です。
このような失敗をしないためにも、既存の建物を改築する場合、事前調査は必須中の必須になります。実現の可否は事前に調べておく意識をしましょう。
近隣トラブルの問題
引越し後、原因不明の悪臭に悩まされていたと言う買主。売主に確認すると、臭いの現況は隣人がため込んだ生ゴミだという。
厳しい話ですが、言わなかった売主も問題はありますが、このような大きな原因は少し確認すればわかることです。
物件周辺情報はネットなどでも調べられますが、近隣の住人の様子は実際に足を運ばないと分かりません。不安要素をなくすのなら、自身の目で複数回は周辺地域を調査しておくのが良いと思います。
住宅ローンの問題
この例の場合、契約当時に夫が自営業で、妻の方が会社員でした。夫は住宅ローンの審査を通しやすくするために、妻の名義か夫婦連名で申請したと考えられます。
その結果団体信用生命保険に申請したが、全額免除にならなかったと考えられます。
基本的に、全額免除がされないのは、契約時の購入物件の名義が原因です。後々のトラブルを避けるため、住宅ローンを申請する時は、名義がどのようになっているのか、必ず確認して起きましょう。
中古住宅での虚偽申告
売主が個人の場合、瑕疵担保責任が「なし」のケースも多いです。しかし、今回の例の場合、少々話が変わってきます。明らかな素人修繕の形跡があり、結果的に嘘の申告をしていたと考えられます。
この場合は、瑕疵担保責任が「なし」でも、売主が買主に建物の不備を隠していた場合は責任を問えます。
一戸建てにおいて、雨漏りやシロアリは大打撃を与える結果になります。事実を知っていながら見ないふりをして買主に嘘をついていたとすれば、修繕費を負担するように追求できる可能性があります。
今回の例は、素人修繕の形跡があることを契約前に確認していれば回避が可能でした。つまり、購入前にホームインスペクターなどの専門家の事前診断を実施することで回避可能なトラブルと言えます。
まとめ
今回は、中古住宅購入時の失敗例をあげて、その回避策を紹介してきました。今回のように、購入した後に失敗したのを気づいても大きな損失になるのは間違いありません。
そのためにも事前の回避策を少しでも理解しておくことが、重要だと思います。住宅は、非常に大きな買い物なので、思いつきで購入するのではなく、一度冷静になって確認作業をすることを意識しましょう。