一戸建ての契約で最低限確認する項目を理解しマイホーム購入の失敗を減らそう!

  • 2021年6月28日
  • 2021年6月28日
  • 住宅

一戸建てを購入するパターンは色々あり、それぞれ契約手続きが異なります。契約についても、売買契約、停止条件付き売買契約、建築請負契約など分かれており、非常に複雑です。

今回は、マイホームの購入後のトラブルを減らすために、最低限押さえておきたい契約項目を紹介していきたいと思います。

最低限と言えど、非常に多くの種類があるので覚えるのは非常に難しいです。「確かこんな言葉があったな」くらいの感覚で最初は読んでみてください。

建物を新築する場合 「建築請負契約」

「とりあえず契約だけ」はトラブルの元

土地を用意して、自分の希望通りの建物を建てる場合、建築会社との間で「建物請負契約」を結びます。これは、建築会社を依頼された建物を完成させて引き渡し、建主は代金を支払うという内容の契約になります。

ここでのポイントは、事前に間取り、設備、金額詳しい打ち合わせを行い、細部まで納得した上で契約をすることです。「とりあえず契約だけ結びましょう」と言う建築会社もありますが、見積もりが確定していないのに総額いくらと言って大枠だけで契約するのは、トラブルの元になります。

各書類の内容を必ず事前に確認

「建物請負契約」では一般に、契約時に次の5つの書類が揃っている必要があります。

  • 請負契約書
  • 設計図書
  • 見積書
  • 資金計画書(資金計算書)
  • アフターサービス規準

請負契約書は、何度も熟読して内容を十分理解することが必須になります。工事完成時期や、工事が遅れた場合の措置、予定した住宅ローンが借りられなかった時の措置などには特に注意して下さい。

設計図書は、平面図と立面図だけではなく、配置図、構造図、矩計図、仕上げ表などまで揃っていることが必要です。これらの図面がないと、どんな建物ができるのかはっきりしませんし、見積もりの確認をすることができません。

【図面初心者でもわかる】マイホーム購入での知っておくべき設計図面の見方!で設計図面の読み方を簡単に説明しています。是非参考程度に見てみてください。

見積書は、工事の項目ごとに詳細な工事単価まで記載されたものが必要になります。「一式いくら」の形式で出るような会社には、あまり頼まないのが無難です。

資金計画書では、金額と支払時期、自己資金で支払うのかローンをあてるのかを整理します。建物の本体工事だけではなく、屋外の給排水工事やガス工事など付帯工事がありますし、エアコン、引っ越し費用なども結構費用がかかります。税金などの諸費用を含め確認しておくことをお勧めします。

アフターサービス規準には、引渡し後のアフターサービスの内容や保証期間が記載されています。対象となる箇所、期間を必ず確認しておきましょう。

建売住宅を買う場合 「売買契約」

重要事項説明書は非常に重要

土地や建物を買う場合には、売主と買主の間で「売買契約」を結びます。

そして、不動産会社が売主だったり、仲介に入ったりする場合は、契約前に、「重要事項説明」を行うことが法律で義務付けられています。これは、取引対象の不動産に関する一定の重要な事項について、宅地建物取引士が文章を示して説明する手続きになります。

重要事項説明書-1(一般)  - ウインドウを閉じる
「重要事項説明書」例

実際には、契約の当日に文章を渡し、説明することが多いようです。しかし、それだけ重要なものを契約当日にいきなり説明されても、理解することは難しいと思います。少なくとも、前もって重要事項説明書のコピーをもらっておき、内容を確認することをお勧めします。

契約書にも不利な点がないか確認

契約では、売買契約書に署名、押印し、物件価格の1割程度の手付金を支払います。

こちらも当然、内容をよく確認しましょう。重要事項説明書と同様に事前にコピーをもらい、自分に不利な項目がないかどうか必ず確認しましょう。

内覧会(竣工検査)で指摘なき事項については自己負担とする。

例えば上記のような、記載があった事例も存在します。

契約書は、不動産会社があらかじめ印刷し、全ての購入者に対して共通で使うことが多いので、契約書を書き換えるのは難しい場合があります。譲れない事項については、別紙の書類を作成するなど交渉をしてみましょう。

建築条件付や売建の場合

建売と変わらない場合も多い建築条件付き

売買契約の中では「建築条件付き」のケースも存在します。

「建築条件付き」とは、簡単に言えば土地を売る不動産会社などが、「建物の工事のセットでやらせてくれ」というものです。

一般には、土地の売買契約を結んでから3ヶ月の間に、建物の建築請負契約についても売主やその指定する建築会社と契約しないと、土地の売買契約が白紙に戻ります。条件なしの土地と比べ、建築会社があらかじめ決まっているうえに、建物の設計にかけられる期間も短いわけです。

さらに、本来、建物の間取りやデザイン、設備仕様はある程度自由になるはずなのに、実際はすべて初めから決まっているケースが大半です。その結果、結局建売住宅とほとんど変わらないことになってしまいます。

建売住宅では建物の建築確認を取ってからでないと売れないのに対し、「建築条件付き」なら建物の建築確認なしでも売れることを逆手にとっているケースも多いです。

「建築条件付き」の土地を購入する場合には、セットされている建物の間取り、仕様、見積もりなどを必ず確認する必要があります。

なかには、「建売仕様だから書類は出せない」「他の物件と同程度だからそれを見てくれ」といった会社がありますが、その場合は非常に危険な場合がありますので注意しましょう。

「売建住宅」は建物がいい加減になりがち

最近増えてきているのが「売建住宅」になります。これは名称からもわかるように、「建売住宅」の変形ともいえるものになります。

手続きとしては、建築条件付き宅地の売買契約を結ぶと同時または直後に、簡単なラフプランと工事費の総額だけで建築請負契約を結びます。その後、建物について建築確認を出し、許可が下りた段階で「建売住宅」の売買契約に差し替えるというものになります。

つまり、最初は土地の売買契約と建物の建築請負契約という二つの契約を結び、後で建築住宅の売買契約に一本化するというものになります。

このパターンには問題があります。それは、建物がいい加減になりがちということです。相談を受けるケースでは、当初は建築請負契約の仕様書が A3やB4の紙1枚といったことは珍しくありません。また、設備の品番が書いてあっても「同等品」という表記がほとんどです。これでは、どんな家が建つのか想像が難しいです。

もう一つ問題なのは、仲介手数料の金額になります。「建売住宅」では仲介会社が間に入っているケースが多く、その場合、仲介手数料(一般的に、売買価格の3%+6万円、消費税別)がかかります。

当初、土地の売買契約では土地代を基準に仲介手数料を計算しますが、その後、建売住宅の売買契約になると土地・建物の価格が基準になり、仲介手数料が増えてしまいます。

最初の時点で、「建物のプランや仕様はどうなるのか」「契約は後で差し替えれるのか」「仲介手数料どうなるのか」「決済条件はどのように行うのか」「ローンはどこでどれだけ借りれるのか」など、相手がうるさいと思うくらいはっきりさせておくようにしてください。

後にトラブルになっても、非常に対応が難しいのでくれぐれも注意して下さい。

まとめ

「契約したから終了」というわけではないです。必ず契約書は、何度も読み直してください。後にトラブルが起きて、契約書に書いてあるのに、「読んでなかった」では済まされません。

家は人生でも数少ない大きな買い物になります。その買い物を失敗しないためにも、必ず契約書を理解し、慎重に対応することが重要になります。

建築会社に契約を任せきるのは、お勧めしません。分からないことは、必ずわかるまで契約会社に聞くことを心がけていきましょう。

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