基本的にマイホーム購入の場合、土地を選ぶのが最初のステップになると思います。パターンとしては、土地を購入して家を建てる場合や建築条件付き宅地を買う場合などの種類が存在します。
土地選びには、様々な要素が関係してくるので、購入した後に「こんな土地のはずではなかった」と後悔しても遅いです。そのため土地選びは、一つひとつ確実にチェックしていくことが重要になります。
今回は、家が建つ前の土地選び方法を紹介していきたいと思います。最初は難しいと思いますが、大まかな要点を抑えることで失敗しない土地選びが可能だと考えます。
是非、今回の話しを頭の隅にでも入れておいてくれると幸いです。
立地と地盤を調べる
現地の犯罪・嫌悪施設に注目
物件の周辺環境は非常に重要なことになります。マイホームでの土地を探す場合、まずは、検討している物件の周辺を歩いて、街の雰囲気や施設などがどこにあるか調べてみるのも良いと思います。
特に注目してほしいのは、町内の掲示板や電柱の看板です。それらの看板にひったくりや痴漢への注意喚起などがあれば、そうした犯罪が多い地域という可能性もあります。
もし、地域の犯罪件数が気になる場合は、警察がエリアごとに犯罪の発生状況をホームページで公表している場合があるのでそちらを参考にしてみてもいいと思います。
もう一つ注目したいのが、嫌悪施設になります。例えばゴミ置き場、工場、高圧電線などが例に挙げられます。
「そんなの気にしすぎ」と思う方もいると思いますが、暮らした後に嫌だと思っても遅いです。もちろん初めから納得して購入されたなら問題はありませんが、確認もせずに購入することは避けるべきだと私は考えます。
地盤の状態もチェック
土地の周辺チェックで見逃せないのが、地盤の状態だと思います。正直な話、最終的には地盤調査行われないと正確な判断は不可能ですが、簡単なチェックは皆さんでも可能です。
例えば、上記のような道路を皆さんも見たことがあると思います。雨が降った翌日でも素行や道路に水が溜まったままだったり、地盤沈下で路肩がくぼんでいたりするところは、もしかしたら地盤が弱いエリアの可能性が高いです。
地盤が弱いエリアは低地であることが多く、低地は大雨で冠水したり、大地震の際は液状化現象が起こったりしやすいので要注意です。
もし液状化などの不安がある場合は、自治体のハザードマップを確認するといいと思います。
なお、2020年8月からは不動産取引時の重要事項説明の際に、事業者からハザードマップなどを元にした水害リスクを必ず説明されることになりました。
近年では想定外の大雨なども頻発しているので、購入される前に災害リスクや地盤の情報を知っておくことは、非常に大切だと思います。
また、地盤を知る方法に古地図も参考になります。例えば昔はどんな土地だったのか、どんな用途で使用されていたのかを知ることが可能です。
なかなかありませんが、昔、墓として使用されていたと知ったら、人によってはいい気分にはならないと思います。古地図は、地域の図書館や役所などにあると思いますので確認してみてもいいと思います。
隣地との関係
境界不明に注意
隣地との境界にも注意が必要です。新しく造成された宅地なら測量をして境界杭をきちんと入れていますが、昔からの住宅地では境界が不明になっていることが多いです。
このように皆さんも見たことがあると思いますが、境界線はこのように表示されるのが一般的です。なかには、境界杭があっても中心線がどこかわからなくなって困るケースも存在します。
もし境界線が不明な場合、周囲の土地の所有者全員の立会いで決めることになります。その場合都合などもありますので、話し合いが何日もかかってしまうことも珍しくありません。
そのため土地を購入する前に、境界線については不動産会社のと話をつけておくことがいいと思います。
視線や住宅の空間幅に注目
隣地境界の他にも、建物で位置関係にも注意することが大切です。
例えば、都市部などでは建物同士が非常に接近してることが多いと思います。屋根の軒が触れる寸前だったりすると、建て替えの時注意が必要です。
他にも、隣のカーポートにギリギリに建物を建てると、雪が屋根から落ちてカーポートを壊したり、車に傷をつけてしまう危険があります。
また、隣地との敷地間隔は可能な限り50㎝以上は確保しておかないと、外壁に取り付けた給湯器や室外機などの点検などが難しくなってしまいます。
ですので、隣の家との空間を意識することも重要な確認事項だと思います。建物が建ってない状態で確認するのは難しいと思いますが、設計事務所の人と図面を見て話をするといいと思います。
もう一つチェックして欲しいものがあります。それは視線になります。
隣の家のバルコニーやベランダ、部屋の窓の位置によっては、覗かれる可能性があり、間取りを考える上で、一定の制約になります。
「考えすぎ」と思う方もいると思いますが、後々のトラブルの種は減らしておくにこしたことはありません。
道路と間取り
建物と道路の関係も非常に重要な確認事項になります。そもそも、建物を建てる際には、建築基準法では、原則とし敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないとしています。これを接道義務と言います。
また例外として、「セットバック」というものが存在します。これは前面道路の幅が4m未満であっても、道路中心線から2mラインまで敷地を下げることを条件に建築が認められています。基本的に「セットバック」は役所が指定した道路のみになります。
道路の方角と間取り
道路幅以外にも重要になるのが、道路の方角になります。通常の建物の間取りは、リビングやダイニングは明るい南側に配置し、トイレ、浴室、キッチンなど水回りは北側に配置します。
こうした一般的な考えと道路の方角で家の間取りの大枠が決定します。
南側道路の間取り
日本では昔から「南側道路」が良いとされ、実際に価格も高くなる傾向があります。南側の隣家とは道路を挟むため日照が確保しやすく、道路に面した南側にリビングやダイニングが来るので、建物の外観が見栄えするなどのメリットがあります。
ただ、デメリットとしては敷地に十分な広さがないと、建物が道路ギリギリの位置になり、通行人の視線が気になる場合があります。また、南側道路では玄関も南側になるため、リビングやダイニングがそのぶん狭くなる可能性もあります。
北側道路の間取り
「北側道路」の敷地では、道路に面した側にはトイレ、浴室などの水回りの窓が多くなり、外観は正直言って見栄えが良くありません。そのためあまり人気がなく価格も格安になります。
しかし、北側道路にもメリットがあります。それはプランニングの点にあります。例えば道路からの視線を気にしないで庭を設けることができ日照もそこそこ確保することが可能です。
東側道路・西側道路の間取り
「東側道路」「西側道路」の敷地は、道路から玄関へのアプローチや駐車場取りやすいのがメリットになります。
しかし、多くの場合南側に隣の建物が接近するために日照が遮られやすいと考えられます。間取りでは、玄関は東ないし西側の道路に設けるため、水回りは北側に寄せることが多くなります。
そのため廊下が非常に長くなってしまい、リビングなど居室が狭くなってしまう可能性があります。
このように道路立地はと間取りは、深い関係にあります。もし想像するのが難しいのであれば、実際の事例を見たり、住宅メーカーなどのパンフレットで大まかに確認してみるといいと思います。
まとめ
土地選びは、マイホーム購入のファーストステップと言っても過言ではありません。マイホームは、これからあなたが何年も暮らしていく非常に大切な買い物になります。
その重要な買い物を失敗しないためにも慎重な土地選びをすることをお勧めします。もちろん今回の件を踏まえて、プロの不動産会社や設計事務所などとしっかりと話をすると良いでしょう。
「もし不安があるならば、抱え込まずまず相談する」ことを意識してください。マイホーム購入で失敗しないためにも不安を残さないことが大切です。