中古住宅を売却する際、もちろん高い方が良いと皆さんも考えると思います。ですが物件によっては、タイミングにかかわらず価値が低い物件も存在します。
今回は戸建てでの売りにくい条件5つを紹介していきたいと思います。もしこのような条件が当てはまるのならば、早めに手放すことを一度検討してみた方が良いと思います。
今回の話は、もちろん私の個人的な意見の話もありますので必ずしもそれが正しいというわけでありませんのでそこはご了承ください。
旧耐震基準の戸建ては価値が下がる
旧耐震基準の戸建ては価値が下がってしまいます。新耐震基準(1981年6月1日)より前に建築確認を受けて建てられた戸建ても、市場では価値が低いと判断されてしまいます。
このように年代も進むにつれ基準も変わってきます。耐震基準に適合してるからと言って絶対に安心という保証はありません。これは逆も同じことが言います。
もちろんこの話から、旧耐震基準の建物は全て危険というわけではありませんが、耐震性が十分ではない物件が多く含まれている可能性があるのは事実です。
また買う人にとって旧耐震基準の建物は、住宅ローンの融資審査の難易度を上げることになってしまいます。例えば、フラット35は耐久性や耐震性の審査を受ける必要があります。
それでもまだ現状では、旧耐震基準の建物で住宅ローンを組むことはできますが、今後は難しくなっていくことが予想されます。
なお、耐震補強が施されている物件であれば、新耐震基準と同様の堅牢さを備えているので問題はありません。
しかし、耐震補強工事は非常にコストがかかり実際に行う人が少ないのが現状です。
旧耐震基準の建物を所有しているのならば、今のうちに売ってしまうのも一つの手だと思います。
違反建築の建物
次に価値を下げてしまう条件は違反建築の物件です。違反建築(違法建築)とは建築基準法や都市計画法などの法令・条例に違反して建てられた建物のことになります。
家を建てる際には必ず建築確認を受けなければなりません。そして建物を建てた後は完了検査をして、「建築確認の通りに建てた」ことを証明するものとして検査済証を取得することとか義務付けられています。
現在は、検査済証がないと新築住宅は住宅ローンを受けることができないことがほとんどなので、9割以上の物件で検査済証を取得しています。
しかしそれは今の話であって、かつては検査済証がなくても住宅ローンを受けられたので、ほとんどの建物は取得せず、1998年における取得率は4割程度だったと言われています。
しかも昔は、建築確認を受けた後に、建ぺい率・容積率の基準を超えて大きな建物をつくったり、斜線制限(建物の高さに関する制限)に抵触する建物をつくると言ったことが当たり前のように行われていました。
建ぺい率と容積率については、SUUMO(スーモ)のサイトでわかりやすく説明しているのでそちらを見てみて下さい。
実際、建ぺい率と容積率オーバーしている違反建築の中古戸建ては数多く存在しています。現在、すでにそうした違反建築物件では住宅ローンが借りづらくなっています。
もし違反建築の建物を持っているなら、速やかに売却することを検討したほうがいいと思います。
都市部で駅徒歩15分以上の建物
建物の立地は売却する際非常に重要になります。基本的には駅から近い物件が求められる傾向になっています。
地方の完全な車社会になってるようなエリアは別ですが、一般的な都市部なら最寄駅から徒歩15分よりも遠い物件では、価値が低く取引されづらい傾向にあります。
近年では高齢化が進み、住宅に求められる駅からの距離は、年々短くなっています。駅から遠い不便な物件ほど、その市場価値は落ちていきやすくなります。
こちらもずっと住み続ける意思がないのであれば、速やかに売却を考えた方がいいと思います。
災害リスクがある建物
最近では、住宅を購入する場合、必ず災害のリスクについて考えることが一般的になっています。
東日本大震災以降、災害リスクに対する意識は高まってきています。住宅を買おうとする人の多くが、災害リスクについてチェックをしていると思います。
災害に遭う確率がかなり低いとしても、自治体などのハザードマップで「リスクのある地域」と分類されているだけで必然的に市場価値が下がり建物を売りづらくなることもあります。
また、ゲリラ豪雨に代表される水害をリスクに含まれます。このゲリラ豪雨による水害をチェックするには各行政が公開している「水害ハザードマップ」をチェックするといいと思います。
今後も建物と災害は、切っても切れない縁になると思います。ですので、もし災害のリスクが高い地域に住んでいる場合は安全のためにも早めの売却を検討した方がいいと私は考えます。
隣地との境界に測量が必要な建物
建物の売買におけるトラブルの中で多いのは、境界に関するトラブルです。境界の確定ができていない建物は買い主から避けられてしまう傾向にあります。
境界確定するための測量や境界明示には、約20万~100万円の費用と1~3か月の時間がかかるのは一般的とされています。
特に親の代から住んでいる場合などは、境界を確定する証拠がなかったりして、境界の合意までに何年もかかることも少なくはありません。
隣地との境界線に測量が必要な場合は売却を依頼した段階で早めに不動産会社に相談することをお勧めします。
まとめ
今回は、売却しにくい戸建ての要素を5つ紹介してきました。もし、今回の要素が当てはまるのならば、早めに手放すことを視野に入れて行動してもいいと思います。
もちろん、建物を手放すのはあなたの判断になりますので、絶対売却した方がいいとは限りません。ただ今回のお話で、建物を手放す際の判断材料として参考になったらなと考えています。
建物の資産価値は年々変わっていきます。そこの判断が曖昧にならないように住宅市場の動向は必ずチェックする意識を持つといいと思います。